残 業
         倉田 稔
 
 日本経済の景気回復をするのは、簡単で
ある。労働基準法を守ればよい。つまり残
業をしなければよい。
 これは、政府、経営者・労働者・従業員
が、その気になればできる。だが実際は、
していない。
 現在は、労働基準法では週40時間労働
なので、月陽から金陽まで、朝9時から夕
方5時まで働けばよいのである。だが実際
はそうではなく、1日に平均2時間は残業
をするだろう。だが統計によれば、そのう
ちの1時間は残業手当を貰っていない。こ
れをサービス残業と云う。こうなると日本
はもう、まともな資本主義ではない。
 ここで、もしも労働基準法の週40時間
を日本中で守るならば、4人の従業員の会
社はもう1人余計に雇う必要がでてくる。
全国でこれをすれば、今の失業は一掃され、
景気は回復する。賃金も上がってくる。国
民所得も増大する。国内市場も大きくなり、
企業も儲かる。いいことづくめである。
だが、これができない。
 現実は、生活苦のために労働者は残業を
する。だからこうして自分の首を絞めてい
る。
 経営者もなるべく雇用を少なくしようと
する。
 だが、少なくとも、サービス残業はやめ
よう。そこから始めよう。